仏法を日常生活で実践する上で非常に参考になる良書です
皆様お世話になっております。善光寺副住職でございます。
以前、書籍紹介の記事を投稿させて頂きました。
今回の記事は以前の投稿に引き続き、書籍紹介の第二弾の記事となります。
今回紹介させて頂く本も、私が自信を持って浄土真宗の門信徒の皆様にオススメできる良書です。どうか最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
今回の書籍紹介の前に、ご紹介させて頂きたい記事がございます。
こちらの記事は私が作ったミニ法話です。
まずこちらの記事を是非読んで頂きたいと思います。
こちらの記事で、私達は蓮如上人が残された言葉「聖教読まずの聖教読み」を目指すべきだというお話をしました。
つまり、仏法を知識として溜め込むのではなく、仏法を日常生活に落とし込み、心豊かな生活を歩む事が大切だという事です。仏法が心に生きているかどうかが重要です。
その上で、「聖教読まずの聖教読み」を心がけ、心豊かな人間を目指す私達にとって非常に参考になるのが今回紹介させて頂くこの本です。
著者の大來尚順氏は浄土真宗本願寺派の僧侶として活動されている傍ら、海外での経験を活かして翻訳に仕事などもされていらっしゃいます。
この本では仏教の教えに基づいて、日常生活の中の小さな幸せに気づく事、幸せな生き方について考えられた本です。
この本の素晴らしい点は、仏教用語がほとんど使われていないという事です。
にもかかわらず仏教の教えがふんだんに盛り込まれています。
つまり私たちが仏教の教えをすんなりと日常生活に落とし込む事ができるように、この本ではとにかくわかりやすく仏教の教えが書かれています。
例えば、本書23ページにはこのように記されています。
目まぐるしい日々の生活に追われ、自分が余計なことばかりに気を取られすぎていて「本来自分が集中すべきことを大切にしていない」と反省させられました。
「小さな幸せの見つけ方」 (アルファポリス) 著者:大來 尚順
これは、恐らく仏教の八正道の正念という教えから導き出した教えだと考えられます。
その他にも、例えば93ページにはこのように記されています。
実は世の中は私たちを支えてくれている思いで溢れています。そういう意味では、誰も孤独ではないのです
「小さな幸せの見つけ方」 (アルファポリス) 著者:大來 尚順
これは仏教の縁起という教えから考えられた言葉だと思います。
他にも直接言葉としては書かれていませんが、
対人関係に悩んだ時には和顔愛語、人との比較で悩んだ時には少欲知足など
仏教の教えが日常生活に溶け込むように、とにかくわかりやすく書かれております。
仏教の教えを通して日々の生活を見直し、幸せとは何かについて考える。そして身近な幸せを発見していく。それが本書のテーマです。
そして、この本書のテーマこそが冒頭でもお伝えした「聖教読まずの聖教読み」につながるのではないでしょうか。
大切なことは仏教をただ知識として知っているのではなく、仏教の教えに基づいて心豊かな人間になることを目指して人生を歩んでいくことです。
これから仏法を学ぶ方、日常生活で仏法を実践したい方、人生に悩まれている方、幸せとは何か悩まれている方は是非本書を読んで頂きたいと思います。
私自身、日常生活で仏法を実践しながら、心豊かな人間に近づきたいと願うばかりです。
善光寺 副住職